労災に遭った際、どのような病院に通えばいい?

労働災害によってお怪我をされた場合、まずは病院で受診をしてしかるべき治療を受けていただく必要があります。

 

このときに発生する治療費については、労災申請をすることで、被災者の過失の有無にかかわらず、労災保険から支払がなされます。これを療養(補償)給付といいます。

 

ではどのような病院に通えば良いのでしょうか。

 

お怪我の程度にもよりますが、地域の総合病院を受診するのが一般的であるかと思います。その他に、個人病院や整骨院で治療ないし施術を受けるケースもあります。

 

このときに知っておくべきポイントがあります。

 

それは、労災診療の特殊性として、一口に「病院」と言っても、「労災病院・労災指定病院」と「その他の病院」があるということです。

 

治療の内容やレベルが違うということは基本的にありませんが、治療を受けた後の病院での「窓口支払いがあるか否か」という点で大きな違いがあります。

 

「労災病院・労災指定病院」であれば、窓口支払いはありません。労災療養(補償)給付の申請書を提出すれば一時的な治療費の負担はありません。

他方で、これ以外の「その他の病院」であれば、窓口支払いをする必要があります。支払をした後に、労災に申請をすると労災保険から支払いを受けることができます。つまり、最終的に自己負担がないという点では「労災病院・労災指定病院」と同じですが、一時的な治療費の負担の有無という点で大きな違いがあります。

 

この点は、軽傷であれば、大きな違いとして意識することはないかもしれませんが、入院を要するような大きな負傷であれば、治療費もかなりの金額になりますので、意識しておく必要があることです。

 

受診されようとしている病院が「労災病院・労災指定病院」であるか否かは、下記の厚生労働省のWEBサイトで検索することができます。所在地別、診療科目別で検索ができます。

https://rousai-kensaku.mhlw.go.jp/

 

なお、山口県内(下関市・宇部市・山陽小野田市・長門市等)、北九州市内の病院を確認した限り、地域でも知名度のある総合病院であればほとんどがこの「労災病院・労災指定病院」に指定されています。

 

いずれにしても、労災によるお怪我については速やかに治療を受けることが重要です。