伐木作業中に発生した労災に関する解決事案

事案の概要

 相談者が某法人の従業員として山林で伐木作業をしていたところ、他の従業員が「かかり木」(切断した木が倒れる際に他に木に引っ掛かり、いつ倒れるか分からないような状態になること)を発生させました。

 そうしたところ、当該かかり木が倒れてきて相談者に衝突し、相談者は脊椎骨折等により後遺障害等級第1級の後遺障害を負うことになりました。

依頼のきっかけ

タウンページで当法人を見つけられ、お電話いただきました。当法人の弁護士は、相談者様の症状に照らして相談者の自宅に伺ってアドヴァイスを行い、依頼される運びとなりました。

 交渉・訴訟の経緯

 相手方となる法人にも弁護士が付き、責任や損害額を争いました。

 双方の主張には相当の隔たりがあり、交渉での解決は困難と判断されましたので、当法人の弁護士は訴訟を提起しました。

 訴訟では、事故当時の具体的状況、相手方法人が採るべきであった措置の内容、損害額、過失割合(被害者側にも過失がある場合に損害賠償額を減ずる理論)など多面にわたって争われました。

 弁護士は、現地である山林の調査などにより事故状況の主張立証を、林業のおけるあるべき安全対策を書籍や公刊物等をもって主張立証するなどの活動を行い、結果として、裁判所から提示された和解案(既払金のほか約7500万円を支払うという内容)をもって和解することで決着となりました。

弁護士の目

 交通事故事案では、運転者の義務内容は道路交通法等に明記され、事故状況も警察が介入することからある程度明らかになり、過失割合等も事故態様によってある程度決まっています。一方、本件のように労災事故では、企業側の義務は事案によって異なりますし(労働安全衛生法が基本的な法律になりますが、同法の理解だけで足りるものではありません。)、必ずしも事故状況を明らかにする証拠が残されているとは限りません。また、過失割合も類型化されているとはいい難い状況です。そのため、一から詳細に主張と証拠を組み立てていくが必要になることが多いといえます。

 このような創造的な主張立証活動は経験を積むほど練度が上がりますので、労災に基づく損害賠償請求は幅広く労災事案取扱い経験を有している弁護士に依頼した方がよいといえるでしょう。